思い出の地球

星に還りたい

 

地球を一刻も早く去りたい

 

還りたい 還りたい 一緒に還りたい

 

 

どんなに願ってもここではかなわなかった

 

 

 

 

 

造り物の、幻の景色と、仮の世界の中で

 

虚ろな抜け殻のようにフラフラと

 

毎日ただ生きているだけだったのが

 

いつしか

 

ああ、なんていいところなんだ

 

素敵な星 地球

 

いつまでもここにいたい

 

地球を去りがたい

 

 

なんて思うようになったのは

 

自分が地上で

 

「二度とは戻れぬ我が家」を体験したからかもしれない

 

 

 

疑似体験は

 

地球への愛おしさを爆発的に押し上げた

 

 

 

その一方で

 

やっぱり地球には飽きている

 

もう、飽きちゃってる

 

 

 

 

そろそろ還りたい 

 

還りたいと思うたびに

 

心臓の真ん中へんがチクりと光る

 

それはもう一人の自分

 

昴・慧の心臓の奥の宇宙が呼んでいる

 

 

 

 

ああでもね

 

いま地球を去ったらきっと二度と戻ってこられない

 

楽しくて、苦しくて、恐ろしくて、喜びにあふれた

 

この地球は

 

きっと

 

 

 

 

飽きたのか

 

未練があるのか

 

だんだんとわからなくなってくる

 

 

 

 

   昴慧