ポロロッカ

川を流れて水は海へと広がる

 

ポロロッカは海から川へと

 

ダイナミックに水が「逆流」する

 

 

雨粒が直接川に降ったり

 

土に浸みこんでやはりいつしか川へと合流し

 

そうしていつでもそこにある川は川である

 

 

枯れてしまう川もある

 

一時的に溜まる沼や湖もある

 

 

 

 

人も

 

個人から集合意識へと

 

常に意志も意識も流れている

 

時々ポロロッカのように

 

集合意識からなだれこんでくるものを

 

芸術家たちは地に落とす

 

形にする

 

音にする

 

香にする

 

 

 

 

湖沼のような集合意識内のクラスターは

 

居心地はいいかもしれないが澱む

 

そんなところには長居したくない

 

 

 

私はいつでも海へと流れていきたい

 

 

 

 

そして

 

波しぶきの一つとして泡立つ

 

 

 

 

 

神との合一とは

 

川であったことも

 

雨粒であったことも忘れ

 

波頭の一粒のしぶきになること

 

そんなこと

 

私は二度と目指すことはないだろう

 

 

 

 

もう 目が覚めたから

 

 

 

 

ただ流れていけば

 

還流する

 

 

それでいい

 

 

 

 

二人がいっしょなら

 

この宇宙が消えることもこわくはない

 

 

 

昴慧